冬茜館

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嵐山にて

嵐山1


嵐山2

  父逝く
         
「お父さん、あかんかってん」
「ん? 何があかんかったん?」
「お父さん、あかんかってん」
まさか・・・。まさかやないやろね?
「何があかんかったん?」
「死なはってん・・・」
「・・・」
「・・・、どうしよう・・・」

 平成21年1月16日午前2時46分、私の携帯が震えた。母からだった。静かな口調だった。

 こんな時は、すぐ駆けつけないといけないのだろうなぁ。眠たい。もうひと眠りしたい。今、寝たら、朝起きるのが遅くなるだろうなぁ。夫の、
「送ったるわ」
のひと言で眼が覚めた。

 お正月に実家へ行ったのが、最後になった。どんな服を着ていたのか、どんな顔だったか、思い返しても全然思い出せない。しんどそうにしていたのだけは、はっきりしている。

 今、思えば死ぬのが分かっていたのではないだろうかと思える。帰りしなに、
「おばあさん、しっかり見たげてや」
と言った。姑が寝たきりで世話は大変だろうがと、私に発破を掛けたのだろう。そんなことを言う父ではなかった。

 その後、電話で、酸素ボンベをつけるのだと言っていたから、よっぽど息苦しかったのだろう。

 ちょうど3年前に肺癌が見つかり、手術をした。確率から言えば、手術出来ること自体がラッキーで、
「生き延びた」
と喜んでいた。

 人はいつか必ず死ぬ。父は、そう遠くないのかもしれないと、その時、思った。

 時間の許す限り、病院へ顔を見せた。 退院後は月に一度、実家へ行くようにした。
私が、
「そろそろ帰るわ」
 と言うと、玄関まで来て、見送ってくれた。今までそんなことをしてくれたことなどなかったなと思いながら、
「又来月来るわ」
と声を掛けた。

 慣れというのか、行くのが当たり前になってくると、言いたいことを言ったり、余計なことを言ったりするものだ。
「亭主が働いているのに、お前は暢気にカメラを持って、出歩いてばかりいる」
と嫌味を言う。私はカチンときた。毎度毎度出歩いてばかりいるわけではない。働かなければならないし、家事もしなければいけない。その合間に出かけているつもりだ。

 私は、電話で怒った。

 子供の頃、父が家の用事をし出すと、同じように家の手伝いをしないと怒られた。子供心に納得行かなかったが、怒られるのが分かっているので、逆らわなかった。

 実家へは、半年ほど行かなかっただろうか。お正月だし、子供じゃないんだし、いつまでも怒っていても仕方ないしと思って、実家へ行った。行っておいてよかった。行かなかったら後悔していたかもしれない。

 私が来るのを待っていたのかなぁ。

 死ぬ前の晩から呼吸が苦しくなり、我慢していたようだ。弟の車で病院へ行き、車椅子に乗った途端に力尽きた。
79歳で、いい死に方をしたなと思う。人を煩わせることなく、逝くのだから。

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  1. 2009/02/17(火) 18:16:25|
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